フロイトの世界へようこそ!無意識の深淵…のぞき見たい!?彼が提唱した精神分析学について解説します

心の内面を深く理解することは、精神的な健康を保つだけじゃなく、他人との和やかな関係構築にも大きく貢献します。

そのため、医療・福祉の領域においても、心理学の理論はしばしば取り上げられますね。

かくいう私も作業療法士なのですが、心理学は1年間みっちりと叩き込まれました。難しい言葉や少年の心を大きく揺さぶる電波な世界観の目白押し、当時は「夢分析ってなんなんだ!格好いいぞ!」と頭を抱えました。

今回は、その中でも特に面白かったなと思えるフロイトに焦点を当ててみましょう!

フロイトは心理学界における著名な人物であり、その知名度は非常に高いものがあります。

他にも、ユングやアドラーなどの有名な心理学者がいます。

これらの学者は、精神科医としてのバックグラウンドや、ほぼ同じ時代を生きたという点で共通しています。

フロイトの存在感:彼はどのような人物だったのか?

「ジークムント・フロイト」は、1956年から1938年の期間、オーストリアで活躍した著名な心理学者(精神科医)です。

彼は神経症の研究に携わっていく過程で、「無意識」や「欲望」についての探求をしました。さらには無意識を表出するための手段として自由連想法のような画期的な方法を提案し、精神分析学の開祖として知られています。

フロイトはユングやアドラーとの交流もあります。彼らはフロイトの理論に賛同することもあれば、時には反論することもありましたが、いずれにせよ革新的な学問を提唱した彼の影響を色濃く受けています。

フロイトの深遠な探究は続く…無意識や本能のはなし

フロイトは当初、神経症やヒステリーの研究に没頭していました。その過程で、彼は「無意識」という概念の重大な役割を発見しました。

私たちの行動や思考は、表面上は意識的に見えるかと感じます。私たちは確かに「〇〇をしようとして△△をしている。」

しかし、実際には私たちの行動が無意識の力に大きく影響されていることが分かりました。簡単にいうと

「何か行動をするとき、すでに私たちは無意識のバイアスを通過していて、その上で思考し、行動している。つまり、無意識は意識の上流で行動の要件定義を担う重要なプログラム」

ということです。

…シビれますよねww

彼はこの無意識の理解を深めることで、人々の精神的な健康を改善しようと考えました。

そして、現代の精神分析やカウンセリングの分野においても、フロイトの考え方は今なお重要な役割を果たしています。

フロイトが解き明かす心の階層:意識、前意識、無意識

フロイトは研究の過程で、私たちの意識を「意識」「前意識」「無意識」の三層に分類していきました。

  • 意識:現在私たちが考えている部分、日常的に自覚している思考
  • 前意識:一時的に忘れているが、必要なときに思い出せる意識の領域
  • 無意識:表面上は自覚できず、自分では意識に上らない深層の部分

この分類は、私たちの精神活動の異なるレベルを理解する上で、重要な役割を果たします。フロイトはこれらの層を通じて、私たちの心理状態や行動の背後にある深い動機を探求しました。

フロイトが考案した「心的構造論」の深い意味

さらにフロイトは、心の内部構造における「エス」「自我」「超自我」という3つの要素の概念を打ち出しました。

アニメーションの中で見る、自分の善悪の側面が議論を交わすシーンを連想させるこの理論は、人間の内面に「エス」「自我」「超自我」という3つの異なる側面が存在し、それぞれが相互に作用しながら行動を決定していると考えます。これらは心のバランスを保ちながら、私たちの行動や心理状態に影響を与えています。

深層心理の核「エス(欲望)」

「エス」(または「イド」とも称されます)は、私たちが生まれながらに持つ、本能的な欲求を指します。この概念は無意識の核となる要素であり、強いエネルギーに満ち、本能に忠実に快楽を追求し、欲求や感情、衝動を直接的に実現しようとする特性があります。また、幼少期に抑制された欲望が蓄積される場所とも言われています。

生存欲求や承認欲求といった具体的な欲求のほか、「これがしたい」「あれが欲しい」といった、人間が持つ様々な欲求を満たそうとするこの原動力は、不快なものから逃れようとする性質を持っています。この状態は「快楽原則」と呼ばれますが、言葉を持たない赤ちゃんが不快感を感じた際に、泣くことでその欲求を養育者に訴える様子は、快楽原則に基づいて行動している典型的な例といえるでしょう。

道徳的なフィルター「スーパーエゴ(超自我)」

精神構造の中で「超自我」は、道徳的な原則に基づいて善悪の判断を下します。善行を促進し、悪事を避けるよう指導する役割を担います。例えば、「他人のものを盗んではならない」「嘘をついてはいけない」「知り合いに会ったら挨拶をする」といった、社会の中で適切に振る舞うための無意識的なルールを守ることを求めます。この部分は、道徳性や倫理観の追求、良心や模範的行動を促す役割を果たします。

この超自我は、幼少期に親や育ての親からの教育や社会的な交流を通じて、個人的、社会的な価値観を内面化します。エスの本能的な衝動に対抗して、それを抑制する働きをします。人が成長するにつれ、自身の良心や道徳心に従って物事の善悪を見極められるようになりますが、超自我を直接コントロールすることは困難とされています。

揺れ動く本能と道徳のバランサー「エゴ(自我)」

ここで触れる「自我」は、エスからの衝動、超自我からの道徳的要求、そして外界の刺激をうまく調整し、精神的バランスを保つ重要な機能を持っています。快楽を追求するエスと異なり、自我は現実原則に基づき、エスの衝動を合理的にコントロールし、衝動の抑制に働く役割を果たします。日々の生活や人間関係の複雑さに応じた現実的な判断を下し、欲望を管理することが自我の主な任務です。

赤ちゃんの場合、自我は生後約6ヶ月頃からエスから進化してくるとされています。6ヶ月頃の赤ちゃんは、言葉がまだ話せないものの、泣き声の違いや身体的な動作を通じて自己主張を始める時期です。これは、快楽原則だけでなく、現実を考慮した行動の調整が徐々に可能になっていることを示しています。エスが無意識の領域にあるのに対し、自我は意識の領域に位置します。たとえば、「私は○○な人間です」といった自己認識は、自我の働きによるアイデンティティや個性の表現と見なされます。

夢分析:無意識の表現

無意識の世界を探求する上で、夢(睡眠中に見る夢)は非常に重要な要素です。

夢は自らの意志で「○○な夢を見たい」と望んで見ることができない = 無意識の表現ではないか、という考えです。

フロイトによれば、夢は過去の記憶から引き出されるものであり、どの記憶が選ばれるかは無意識下で決まるとされています。

これらの記憶が引き出されることにより、夢は我々の抑えられた欲望や願望を反映することが多いのです!

したがって、見た夢の内容を分析することで、人が無意識のうちに抱える隠れた願望やコンプレックスを解明し、心理的なストレスを軽減する手がかりになるとフロイトは考えました。

まとめ!フロイトの教訓

さて、いかがでしたでしょうか。フロイトは意識と無意識の領域に関して深く洞察し、多大な研究を行った人物です。

ビジネスの世界に限らず、日常生活においても、自分自身の心理状態を理解することは重要です。それによって、より賢明な選択が可能になります。フロイトの理論を参考にしながら、自己の行動を見直し、改善していくことが望ましいですね。

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てがある。編集部

いぴちき
いぴちき作業療法士
作業療法士兼イベンター。大学では企画構想学科を修了後、イベント運営会社に就職し放送業界にて活躍。その後、作業療法士の資格を取得し、リワークにて施設長を経験。好きなものはコーラ。犬か猫かといわれれば、やはり猫!