「親なきあと」の社会資源!どんなてがある?医療福祉サービス利用時の際の心構えやサービスについて解説します
みなさんこんばんは!
今日も今日とて、勉強をしていこうと思います。
医療・福祉に関する発信を続けていくことは、我々てがある。のテーマでもあります。
ぜひ仲良くしてやってくださると幸いです!
余談ですが、てがある。の名刺ができました。
初めて個人で作成した名刺なのですが、出来上がってみるとこれがなかなか可愛い…。
元々てがある。のメンバーはイベントの企画・運営が好きなお祭り人間の集まりで、ずっと「一緒に仕事してみたいね」と言っていたので、ひとまずここまで形になっただけでも感慨深い。思い入れ喜びもひとしおです。
ロゴを作成してくださった方や、応援してくださるみなさまに感謝しつつ、引き続きやっていこうかと思います。
はじめに
今回のテーマの「親なきあと」
ここでいう親とは「当事者」の方のご両親を指します。
当たり前ですが、子供にとって「親を失う」ということはとても重大な出来事です。
これは親御さんも一緒で、特に障害を持つお子さんの親御さまに関しては「自分がいなくなったら、この子はどうやって生きていくんだろう…」と、お子様以上に親御さんも強い不安を感じているケースが非常に多いかと思います。
実際に、私も臨床で親御さんとお話しをする際そういった葛藤を垣間見ることがあります。
…垣間見る。というのは、「理解する」というのと少し違くて、
なんでこういう表現になるのかというと、私たちが完全に親御さんの辛さを理解しているなんて思い上がりたくないからです。
ですが、できるならば寄り添いたい!
そこで、まずは親御さんとこの「親なきあと」問題を話す際に必要な心構えとして、まずはこんなことを提言します。
具体的なことを考えるために、課題を整理すること!
親なきあとのお子様の課題って、本当色々だと思います。
またそんな課題を解決するための社会資源も、溢れていることに注目します。
詳細は、例えばこんなページをみてみるとわかりやすいかと思います。
※[精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について]厚生労働省
そう、選べません!
よく「まずは内容をまとめて…」とか、言われると「そんな悠長で解決するのか!」と思うこともありますが、やはり適切な社会資源を選択していくためには課題の整理が必要不可欠です。
専門家の協力もどんどん借りて、必要なものを選び取っていくことをまずはお勧めします。
お勧めの相談機関をご紹介します。
▪︎区役所
とりあえず身近な障害福祉課を尋ねてみるのはよくあるかと思います。
手軽にアクセスできますし、利用しやすいですよね
めちゃくちゃお勧めです。
▪︎障害者就業・生活支援センター
別名「なかぽつ」なんて可愛らしい名前で呼ばれているこの機関は、障害のある方の生活全般に関する相談に乗ってくれる頼もしい機関です。
生活に関する包括的なサポートや助言をしてくれるほか、就労までフォローしてくれるのは魅力的。
困ったら、一度話をしてみると親身になって聞いてくれるかもしれません。
▪︎社会福祉協議会
日常生活をサポートする様々なサービスを提供しているのがここ。
具体的な提案はここでもしてくれますので、まずは利用してみるとよいでしょう。
ここでは、デリケートな部分でもある金銭的な話についての具体的な手立ても教えてくれますよ。
お金のこと関連
では、ここからは具体的なサービスなどについてかいつまんでご紹介したいと思います。
まずはお金のこと。めちゃくちゃ大切ですよね。
お金は残しておくことももちろんですが、どういう風に管理して、お子さんに適切に使ってもらうか、という点も非常に難しい問題です。
可能であれば自己管理…ですが、必ずしもそうでないケース、絶対ありますよね。
ですので
①お金について申請ができるものはどんどん手を出していくこと
②金銭管理についても情報を仕入れておいて、準備する時参考にできるようにしておく。
この軸で考えていくといいと思います。
①申請すると金銭的なサポートが受けられるかもしれない制度
・障害年金
障害年金についての詳細は他の良質な記事がたくさんあるので、ここでは詳細な説明をしませんが、障害年金はまず検討すべきでしょう。
ここで「利用している機関から、申請する前に無理だよと言われた」など、よくある事例がありますが、気にしないことも大切です。
なぜなら、それを決めるのはその機関ではないからです。障害年金の管轄はあくまでも日本年金機構です。
毎月お金が入るだけでも、選択肢は増えていくというのはよく聞きます。悩むようならチャレンジしてみてください!
・障害者関連の手当金
特別障害者手当などの資源も、条件が満たされれば活用可能です。
特に障害の程度が重度の方は、こちらの申請も視野に入れていくとよいでしょう。
②金銭管理がお願いできるあて
遺言や信託などをされる方も多いですね。
私も先日信託のセミナーを受けてきましたが、親御さんが非常に多く学びにいらしており、超満員でした。
残したお金をどう管理するかも考えておくとベターかなと思います!
・成年後見制度
成年後見制度は簡単にいうと「財産管理」と「身上監護」をしてくれる社会資源です。
お願いすると、財産を管理してくれるうえ、適切な介助量でお子さまにその金銭を渡してくれます。
その程度もきちんとアセスメントされたうえで決定されるので「一人で管理することに関しては不安がある」という方は、一度相談をしてみるといいかもしれません。
住居関連
次に、住居についてまとめたいと思います。
一人暮らしや他のご家族との同居、という選択肢がない場合、障害のある方が住居を社会資源に求めた時、いくつかのサービスがヒットします。
・障害者支援施設
成人している障害者の方々が生活や仕事をするための施設。日中活動や職業訓練、生活支援などが提供されます。
・グループホーム
軽度から中度の障害を持つ方々が小規模なグループで共同生活をするための施設。日常生活の支援が受けられます。
グループホームを検討されるうえで大切なことは、施設ごとにサービス内容がかなり異なってくることなのかと思います。
お子様に見合った住居の検討、ということになりますので、いろんな場所にぜひ見学に行って、その詳細について尋ねていくといいと思います。
就職関連
お子様の就職も大切かと思います。
そもそも就職をされるかどうか、という点もそうですが、一度サービスについてざっとまとめておくとあとで振り返ったとき「その手があったか!」というひらめきもあるかもしれませんよ!
・自立訓練(生活訓練)
ここでは、主に生活訓練について取り上げていきます。
このサービスは簡単にいうと、ご病気について学び、日常生活の安定や質の向上を狙っていきましょう!
というサービスです。
2年間という利用期間の中で、自身の障害特性や困難の対処法について向き合うことは、社会生活への進出のきっかけにもなるかもしれません。
実際、東京都では一般企業への就労率も10%前後とそれなりに高いので、まずはこう言ったサービスを使用してご病気について悩んでみるのもいい経験になるのかも。
・就労継続支援
就労継続支援は、福祉の庇護のもと、一般企業に近い形で労働をしよう!と言ったサービスになります。
実際に働くので、金銭が得られることもポイントです。
条件が合えばレベルに応じて、実際に働いてみるのもいいですね。
・就労移行支援
ここは、2年間という機関の中で、一般企業に就職するための訓練をゴリゴリにやっていきましょう!そんなサービスとなっております。
訓練や職場開拓に振り切る性質を持っているため、一般企業への就労率は全就労系福祉サービスの中でも群を抜いて高く、おおよそ二人に一人は就職をします。
モチベーション次第では、こういった選択肢もあるのかもしれませんね。
身の回りのサポート関連
訪問看護、訪問ヘルパー
この二つは真っ先に検討されるかと思います。
特に訪問看護はカバーできる範囲が体調管理、服薬管理から、日常のちょっとした相談ごとや話し相手としても利用できる(いいステーションもある)というところです。
民生委員
地域で住民の安全を気にかけてくれる優しい存在。それが民生委員です。
ボランティアですが、身近にサポートしてくれる存在がいることは本当にありがたいです。
相談事にも応じてくれるので、一度お話ししてみてもいいですね!
まとめ!
福祉サービスは本当に煩雑もとい、たくさんの選択肢があるので、目移りしてしまうこともあります。
どのサービスを選ぶか、それは一人で悩まず、専門家と一緒に考えてもいいのかもしれませんね。
我々「てがある。」も、作業療法士など多様な医療資格を持つ現場でのプレイヤーです。
悩むことがあれば、一人で抱え込まずぜひご相談いただければと思います!
てがある。について
てがある。は、障害のある方や「グレーゾーン」と呼ばれる方、生きづらさを抱えていらっしゃる方々に、もっといろんな「てがある。」ということを、軽いフットワークでどんどん普及していくことを目的に立ち上げた専門チームです!
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てがある。編集部
- 作業療法士兼イベンター。大学では企画構想学科を修了後、イベント運営会社に就職し放送業界にて活躍。その後、作業療法士の資格を取得し、リワークにて施設長を経験。好きなものはコーラ。犬か猫かといわれれば、やはり猫!