【第二回】SEKILALABOでセキララに話した分かち合いのまとめ、振り返り。
みなさんこんにちは!てがある。と申します。
年をまたぎ、1月も終わりに近づいてきましたが、寒い日が続きますね…。気温の変化も大きい月なので、皆さん体調にははお気をつけてお過ごしくださいね!
さて、第二回せきららぼも無事開催できました。
SEKILALABOは、ひきこもりに悩む全ての方が、垣根なく「分かち合い」を通じてお互いの思いを共有する、フルリモートのトークイベントとなっております。
当事者のための当事者会、家族のための家族会、はこれまで参加経験があったのですが、この度こういった会を、しかも主催させていただき、協力していただいている皆様にも大変ありがたい気持ちです。
さて、会の雰囲気などまるで検討がつかない状態で走り出した第一回目ですが、思った以上に穏やかな印象で、ご参加くださった方からも「わかる!」と共感する声が多く聞かれました。
本記事では、このふりかえりを通じて得た気づきや、当日の分かち合いの内容についてご紹介いたします。
目次
分かち合いの進行方法
今回の分かち合いは、事前に回答いただいたアンケート内容をもとに進行されました。ファシリテーターであるマモノが回答を読み上げ、その内容について参加者同士で自由にトークを展開する形で進められました。テーマは次の2つでした!
- 「社会に繋がれたきっかけ、もしくは今どういった形で社会と繋がっていると感じますか?」
- 「家族との昔と現在の関係性について」
それぞれのテーマについて参加者の声を掘り下げていきます。
1. 社会に繋がれたきっかけ、もしくは今どういった形で社会と繋がっていると感じますか?
多くの当事者の方が現状に罪悪感を抱えており、社会につながるきっかけが欲しいとのことでした。ここでは、実際に当事者の方が経験された社会に繋がったきっかけの一例を紹介します。
1. 親との関わりと罪悪感
親がひきこもりの会や支援に参加することが、当事者にとっては「自分のせいで負担をかけている」という罪悪感につながる場合がありました。また、親の言動がプレッシャーとなり、必ずしも前向きには捉えられないという声も。一方で、家庭内でのつらい扱いがきっかけで自立を選択する場合もあり、親子関係の在り方がひきこもり当事者にとっての社会とのつながり方を大きく左右していることがうかがえます。
2. 就労移行支援への参加
生活費を得るために就労移行支援に参加しようと決めた結果、実際の行動へと繋がり、「すごい」と前向きに評価される事例がありました。経済的な理由が最初の動機であっても、支援の場に出向くことが社会との接点となり、最終的には行動範囲や可能性を広げるきっかけになることがあるようです。
3. 自衛隊の勧誘と人生の方向転換
自衛隊が訪ねてきたことで、自分の状況を改めて認識し、一気に方向転換を決意したケースがありました。自衛隊の環境に対しては「厳しそう」「怖い」といった懸念もある一方で、追い込まれた状況が行動へ踏み切る原動力になる人も存在します。個人差はあれど、思わぬ勧誘や出来事が社会復帰の大きなきっかけになることもあるようです。
2. 家族との昔と現在の関係性について
家族との関係性については比較的ネガティブな意見が多かったように感じます。具体的には、本人が理解されない感覚を持ってしまったり、行動を強制されるような経験があった(と感じている)ことが要因としてあるように感じます。ですが、時間が経つことである程度適切な距離感で落ち着いていることも多いようです。
1. 仕事や人生の選択に対する圧力
家族からすぐに次の仕事を探すよう迫られるなど、自分のペースや気持ちを無視された発言によって、当事者が「自分を軽視されている」と感じる場面が多く見受けられました。結果として、「なんでまともに育ててくれなかったのか」という思いが生じるなど、家族に対するわだかまりが強まる一因となっています。
2. ひきこもりへの対応の違いと戸惑い
家族の対応方法は問い詰めるか放任するかで大きく分かれますが、いずれの場合も「どう対処していいかわからない」という戸惑いが存在します。そのイライラが当事者に向くことで、本人はさらなるストレスを感じ、「むしろどうしたらいいか教えてほしい」という切実な思いが募る状況が浮かび上がっています。
3. 理解と距離感の変化
過干渉が落ち着いたり、家族との距離が適切に取れるようになった結果、「以前より楽になった」という声がある一方、何も変わらない家庭も少なくありません。また、「完全に理解されるのは難しい」と割り切ることで、かえって気持ちが楽になるケースも見られ、家族との関係性が多様な形で変化・固定化している様子がうかがえます。
まとめ
今回のテーマからは、ひきこもり当事者にとっての社会との繋がりや家族との関係が多様であることが見えてきました。何らかの外部からのきっかけ(就労移行支援や自衛隊の勧誘など)が行動の一歩になる場合もあれば、家庭内の負担やプレッシャーが逆に罪悪感やわだかまりを生んでしまうケースもあります。
家族との関係性は特にネガティブな感情や摩擦が生じやすいものの、距離感の変化やある程度の時間経過によって「楽になった」と感じる当事者も存在します。一方で、解決に至らず苦しみ続ける人も少なくなく、「理解されることは難しい」と感じながら折り合いをつけている姿がうかがえます。
ひきこもり当事者にとっては、自身の気持ちを尊重してもらえること、また家族を含む周囲の適切なサポートや情報提供が社会復帰や自立の大きな糸口となります!こうした事例からもわかるように、多種多様な背景と想いが交錯しており、それぞれに合った支援や理解が求められていると言えるでしょう。
最後に
SEKILALABOは、さまざまな立場の方が集まり、それぞれの思いを共有することで共感や理解を深めることを目指しています。この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ次回の会にご参加ください。あなたの声が誰かの心に届き、新たな気づきをもたらすかもしれません。
第三回「SEKILALABO」開催のお知らせ!!
開催日:2025年3月2日(日)
時間:13:00~15:00
対象者:ひきこもりに悩んでいる全ての方。悩みを打ち明けたい方。(当事者の方はもちろん、ご家族の方や支援者の方も大歓迎!)
参加費用:完全無料
開催場所:オンライン(Zoomでの開催となります)
申し込みURLはこちらより!
てがある。について
てがある。は、障害のある方や「グレーゾーン」と呼ばれる方、生きづらさを抱えていらっしゃる方々に、もっといろんな「てがある。」ということを、軽いフットワークでどんどん普及していくことを目的に立ち上げた専門チームです!
てがある。公式LINEでは、いわゆるご病気や生きづらさに関する特別なコラムや、てがある。が開催させていただくイベントや当事者会、カウンセリングのご紹介をさせていただいております。
有料イベントに関するお得な割引券なども配信!
ぜひとも「てがある。」公式LINEへのご登録をお願いします!
てがある。編集部
- 作業療法士
- 作業療法士兼イベンター。大学では企画構想学科を修了後、イベント運営会社に就職し放送業界にて活躍。その後、作業療法士の資格を取得し、リワークにて施設長を経験。好きなものはコーラ。犬か猫かといわれれば、やはり猫!